2018年、もっともコスパの良いSS製スポーツモデルは一体どのモデルなのか。定価と実勢価格の差、時計のスペックに対するお買い得感、使用シーンの幅、リセールバリューなど、様々な角度から考えてみました。買取応援団プレゼンツ・コスパ最強スポロレ選手権。結果やいかに!?
目次
- コスパの良いスポーツロレックスはどれ!?
- 定価と実勢価格|お買い得なスポーツロレックス
- 時計のスペックと販売価格からみるコスパ
- エクスプローラー1
- エクスプローラー2
- ミルガウス
- エアキング
- ディープシー
- リセールバリュー|実勢価格と買取価格の比率
- ここまで一旦まとめ
- 結論!!2018年最もコスパの良いSS製スポーツロレックスは…
- まとめ
コスパの良いスポーツロレックスはどれ!?
コスパの良いSS製ロレックスを選定していくにあたり、まずはコスパの定義をしておく必要があります。今回は以下の通り、コスパの良さを定義しました。
- 定価と実勢価格に乖離がないこと
- スペックに対してお得感のある実勢価格であること
- リセールバリューが良いこと
(今回の評価は日常シーンでの使用をメインとして考えた場合で行なっていきます。)
ロレックスフリークのみなさんでしたらパッと見ていただければわかる通り、そもそも1をクリアしているSS製スポーツモデルが極端に少ない状態です。
ロレックスのスポーツモデルは、需要に対する供給量が不足しており、2017年夏頃より実勢価格が高騰しています。ほぼ全てのモデルの新品実勢価格が定価以上になっているのが現状です。
定価と実勢価格|お買い得なスポーツロレックス
というわけで、実際にひとつずつ見ていきましょう。まず1つ目の定義は、『定価と実勢価格に乖離がないこと』です。
1つ目の定義は、全てのSS製スポーツロレックスについて、3つのコスパ定義について触れていくと迷子になりそうなので、先にある程度選定してしまおうという魂胆もあります。
以下、現行モデルSS製スポーツロレックスの新品実勢価格最安値と定価をまとめました。
(2018年3月調べ。価格コムにて人気上位調査。)
定価 | 新品実勢価格最安値 | 定価比率 | |
デイトナ(白) | ¥1,274,400 | ¥2,330,000 | 182.8% |
デイトナ(黒) | ¥1,274,400 | ¥2,160,000 | 169.5% |
サブマリーナデイト | ¥874,800 | ¥1,039,800 | 118.8% |
グリーンサブマリーナ | ¥928,800 | ¥1,340,000 | 144.2% |
サブマリーナ | ¥766,800 | ¥876,000 | 114.2% |
エクスプローラー1 | ¥669,600 | ¥695,000 | 103.8% |
エクスプローラー2(白) | ¥831,600 | ¥800,000 | 96.2% |
エクスプローラー2(黒) | ¥831,600 | ¥822,000 | 98.8% |
GMTマスター2(黒) | ¥864,000 | ¥923,000 | 106.8% |
GMTマスター2(青黒) | ¥918,000 | ¥1,160,000 | 126.4% |
エアキング | ¥637,200 | ¥635,000 | 99.7% |
ミルガウスGV(黒) | ¥842,400 | ¥789,000 | 93.7% |
ミルガウスGV(青) | ¥842,400 | ¥837,000 | 99.4% |
シードゥエラー | ¥1,166,400 | ¥1,569,799 | 134.6% |
ディープシー(黒) | ¥1,242,000 | ¥1,296,799 | 104.4% |
ディープシー(青) | ¥1,274,400 | ¥1,572,000 | 123.4% |
( ↑ スマホでご覧の際は横にスクロールしてご覧ください。)
結果はご覧の通り。黄色で網掛けしたモデルが、定価よりお買い得または定価からの乖離が5%以下のモデルになります。
やはりデイトナやグリーンサブマリーナなどの超人気モデルはかなりの高騰状態。資産価値としての評価はできると思いますが、コスパの良さという評価基準では対象から外して良いと思います。
残り2つの条件について、上記で絞り込んだ7モデルについてチェックしていきましょう。
時計のスペックと販売価格からみるコスパ
続いて2つ目。『スペックに対してのお得感』というポイントを確認していきましょう。以下、先ほど選出した7モデルについて、特徴となるスペックをまとめました。
エクスプローラー1
シンプルな3針構造のエクスプローラー1。視認性の良さとシンプルで落ち着いたデザインが人気のスポーツロレックスです。
ケース径:39mm
ケース厚:11.3mm
基本機能:時、分、秒
特殊機能:なし
重さ:137g
目立ちすぎない39mm径×11.3mm厚のケースサイズは、着用感もちょうど良く、スーツ着用時でも邪魔にならない点がGOOD。フォーマルシーンでの着用にギリギリ堪えうる唯一のスポーツモデルでもあります。
実勢販売価格は定価より若干高い点が気になるところです。耐振動性と耐磁性に優れる最新のムーブメントを装備していますが、実用機能は時間と分と秒のみの表示となりますので、価格相応であると判断します。
ここまでの評価
エクスプローラー1
実勢価格約70万円 → スペック相応で、使用シーンを問わない点が◎
エクスプローラー2(白および黒)
GMT針と日付機能を備えた高機能スポーツロレックスです。
ケース径:42mm
ケース厚:12.5mm
基本機能:時、分、秒、日付
特殊機能:GMT(24時間計)
重さ:160g
42mm径のケースに、オレンジ色の大ぶりなGMT針を用いたポップなデザインが特徴のスポーツモデル。
デザインが特徴的ゆえ、ビジネス、カジュアル、スポーツのシーンではおすすめできますが、フォーマルには向きません。また同じ理由で、好き嫌い、似合う似合わないがハッキリしていることも特徴です。
価格面では定価よりも安く購入することが可能です。高騰中のGMTマスター2と同じムーブメントを装備しているにも関わらず、GMTマスター2よりも10万円ほど安い価格なのは嬉しいですね。スペック面だけみればかなりお買い得と言えます。
ここまでの評価
エクスプローラー2
実勢価格約81万円 → スペック以上の価値ありだが、デザインの好みがわかれる
ミルガウスGV(黒およびZブルー)
グリーンサファイアクリスタル製の風防を装備した耐磁性の高いロレックスです。
ケース径:40mm
ケース厚:13mm
機能:時、分、秒
特殊機能:1,000ガウス耐磁性
重さ:155g
名前の通り1,000ガウスもの磁力に耐えうるムーブメントを装備しており、日常使いにはオーバースペックです。にも関わらず、実用機能は時間と分と秒のみというかなり特殊な立ち位置のモデルです。
3針構造なのにケースが分厚いのは、耐磁性能を発揮するために仕込まれたシールドによるもので、これによって重量も重くなっています。
定価よりも安く購入することが可能ですが、スペック面で見た場合のお買い得感は、オーバースペックの耐磁性をどう評価するかだと思います。日常使いの実用腕時計として見た場合、日付機能なしで約80万円という価格は、かなり割高に感じてしまいます。
ここまでの評価
ミルガウスGV
実勢価格約80万円 → スペックに対して割高
エアキング
40mm径の大きすぎないケースに、スピードメーターを模したデザインの文字盤が特徴のSS製ロレックスです。
ケース径:40mm
ケース厚:11mm
基本機能:時、分、秒
特殊機能:なし
重さ:137g
ご存知の方は少ないかと思いますが、実はミルガウスGVと同じムーブメントを使用しています。シールドは使用していないためケースの厚みと重さは抑えられていますが、耐磁性能は優れています。
ほぼ定価とイコールの金額で購入可能なのでお得感はありますが、デザインがかなりスポーティな点が気になるところです。ビジネスシーンやフォーマルシーンでの使用がおすすめ出来ませんので、カジュアル使用オンリーになりそうです。
ここまでの評価
エアキング
実勢価格約63.5万円 → スペック相応だが、使用シーンがカジュアルに限られる
ちなみに、ミルガウスとエアキングは純粋なスポーツモデルではなく、いわゆるドレスポ(ドレスモデルとスポーツモデルの中間)という括りになります。
クラスプ(ブレスレットの留め具)がシングルロックになっている点と、ムーブメントの耐震装置が旧式である点が、エクスプローラーなどのピュアスポーツと異なる点です。
ディープシー(黒)
ロレックスが誇る本格プロフェッショナルダイバーズウォッチがディープシーです。
ケース径:44mm
ケース厚:18.1mm
基本機能:時、分、秒、日付、回転ベゼル
特殊機能:ヘリウムガスエスケープバルブ、3,900m防水
重さ:220g
プロフェッショナル向けの時計であるため、スポーツウォッチとしての枠をはるかに超えた3,900m防水仕様。風防ガラスも裏蓋も他のモデルより分厚く作られており、重量も金無垢なみにずっしりしています。
超人気のDブルーは高騰状態ですが、ブラックであれば定価より少し高い程度に収まっています。プロとして見るか、日常使用として見るかによって、コスパへの評価は大きく変わりそうですね。
ここまでの評価
ディープシー
実勢価格約130万円 → スペック相応だが、使用シーンがプロの現場に限られる
リセールバリュー|実勢価格と買取価格の比率
最後に、リセールバリューについて見ていきましょう。以下、7モデルの買取価格とリセールバリューをまとめました。
(2018年3月時点。買取応援団過去の調査記事より。リセールバリュー = 中古Aランク買取価格 ÷ 新品実勢販売価格の最安値)
買取価格 | 新品実勢価格最安値 | リセールバリュー | |
エクスプローラー1 | ¥500,000 | ¥695,000 | 71.9% |
エクスプローラー2(白) | ¥560,000 | ¥800,000 | 70.0% |
エクスプローラー2(黒) | ¥575,000 | ¥822,000 | 69.9% |
エアキング | ¥520,000 | ¥635,000 | 81.8% |
ミルガウスGV(黒) | ¥540,000 | ¥789,000 | 68.4% |
ミルガウスGV(青) | ¥650,000 | ¥837,000 | 77.7% |
ディープシー(黒) | ¥895,000 | ¥1,296,799 | 69.0% |
( ↑ スマホでご覧の際は横にスクロールしてご覧ください。)
買取価格は、実際に使用してから売った場合を想定して、中古Aランクの価格を当て込みました。
リセールバリューのみを考えて購入する場合、エアキングとミルガウスZブルーの2モデルに軍配が上がります。その他も70%前後と高水準になっているあたりはさすがロレックスですね。
ここまで一旦まとめ
さてさて、以上3つの定義においてコスパの良いSS製スポーツロレックスについて探ってみました。ここまで評価したことを一旦まとめてみます。
エクスプローラー1:
定価よりわずかに高いが、スペック相応の金額で購入が可能。
シーンを問わず使用することができる。
売りに出す際は、購入時の71.9%の金額で売れる。
エクスプローラー2:
定価よりやや安く、スペック面を考慮するとかなりお買い得。
ビジネスシーンでも使用が可能。
売りに出す際は、購入時の70.0%の金額で売れる。
ミルガウス:
定価よりやや安いが、スペックに対しては割高感がある。
ビジネスシーンでも使用が可能。
売りに出す際は、購入時の77.7%(青の場合)の金額で売れる。
エアキング:
定価よりやや安く、スペック相応の金額で購入が可能。
ビジネスシーンには向かない。
売りに出す際は、購入時の81.8%の金額で売れる。
ディープシー:
定価よりやや高く、スペックはプロフェッショナル向け。
ダイビング以外のシーンには向かない。
売りに出す際は、購入時の69.0%の金額で売れる。
結論!!2018年最もコスパの良いSS製ロレックスは、、、
き、決められねぇ、、、
いや、嘘です。ちゃんと決めます。
2018年、最もコスパの良いSS製ロレックスは、エクスプローラー2に決定!!
エクスプローラー1と最後まで悩んだのですが、日常使用での利便性を考慮して、日付機能はあった方が良いと思いました。さらにGMT機能までついて、プラス10万円程度で購入できてしまうエクスプローラー2のお買い得感は、やはり際立っています。
エアキング、ミルガウス、ディープシーの3つは、オーバースペックであることと、使用シーンが限定的であることの2点で、コスパ最強の決勝進出には至りませんでした。
まとめ
買取応援団プレゼンツ・コスパの良いSS製スポロレ選手権、いかがでしたでしょうか?
現在、エクスプローラー2は定価以下で買える希少な現行ロレックスとして注目を集めています。そのため、記事執筆段階の価格がいつまで維持されるかわからない状況です。
人気モデルの高騰状態がこのまま続いた場合、購入を諦めたユーザーの需要がどこに動くのかは非常に気になるところです。エクスプローラー2にも需要が集中するのか、はたまた最近人気急上昇中のオメガに需要が移るのか…。
ちょうどよくエクスプローラー2の購入を検討していたという方は、コスパが良いと言い切れるうちにご入手いただく方がよろしいかと思います。
あとがき
実は別の調査記事を書いている段階で、コスパ最強のスポロレはエクスプローラー2だろうなと思っていました(なので少々主観が入っておりますが、ご了承ください)。
GMTマスター用の最新ムーブメントを使用しているにも関わらず、新品実勢価格80万円ちょい。これは相当お買い得であり、そのことに気付いてしまった筆者は、近々買い替えをしようかと本気で考えておりました。
ただ、本音を言うと、もう少し値下がりしてほしいです。