2019.10.15

スイス or ドイツ 腕時計業界の実力派新興ブランド 5選

更新

本日は、腕時計業界の気になる新興ブランドということで、2000年以降に設立されたブランドから5つほど選んでご紹介して参ります。

目次

モリッツ・グロスマン

さて、最初にご紹介するのはこちら。2008年ドイツ創業のブランド、モリッツ・グロスマン。ブランド名の由来は、19世紀に活躍した時計師の名前を、そのまま使っています。

公式サイトより引用:https://ja.grossmann-uhren.com/

モリッツ・グロスマンが生きていた時代は、ドイツの名門ブランドであるランゲ&ゾーネの創業者、アドルフ・ランゲが生きた時代と同じです。共にドレスデンの宮廷時計師に師事し、後に炭鉱跡の村グラスヒュッテを開拓。世界屈指の時計産業地帯を作り上げた仲間でもあります。

ブランドとしての誕生は、そこから160年以上後。クリスティーネ・フッターという時計師が、モリッツの遺産を発見したことからスタートします。

遺産の発見から時計の復活って、なんだかドラマチックじゃないですか。かつて日本でも、たまたま拾ってしまった陶器の欠片から、安土桃山時代の志野という焼き物を復活させた人がいました。それと通ずるものを感じましたね。

さて、2008年に誕生したブランドとしてのモリッツ・グロスマン。現在の代表モデルは、ベヌーです。

代表モデル:べヌー

ブラウンバイオレットと呼ばれる、特殊なカラーに焼き上げたステンレススチール製の針。シースルーになった裏面からは、美しく装飾が施されたムーブメントを覗き見ることができます。

公式サイトより引用:https://ja.grossmann-uhren.com/

ムーブメントはかなり個性的です。例えば通常は赤色の人口ルビーを使うところ、あえて透明のものを使用していたり、グロスマン式と呼ばれる独自機構の調速機を用いていたり。拘り抜いた作りで、質の高い時計を生み出しています。

公式サイトより引用:https://ja.grossmann-uhren.com/

その技術は、5大ブランドであるランゲ&ゾーネにも劣らないといわれるほど。ドイツウォッチを検討の際は、モリッツとランゲ、ぜひ比べてみてくださいね。

クストス

続いてはこちら。2005年創業のスイスウォッチ新興ブランド、クストス。ラテン語で “時の守護神” を意味するクストス。そのブランド名には、スイスウォッチの伝統的な真髄を守りつつ、未来に向けた革新的な時計を作っていく、という熱意が込められているそう。

公式サイトより引用:https://cvstos.jp/index.html

創業者でありCEOであるサスーン・シルマケスは、生粋のスイス時計人。フランク・ミュラーグループの共同オーナー、ヴァルタン・シルマケスを父に持つ人物です。

親子で違うブランドを作るというケースは、スイスの伝統的な時計業界では、極めて稀な例なのではないでしょうか。これからこういったブランドが増えてくると、より面白くなりそうです。

クストスは、発足からわずか15年足らずで、既にセレブや著名人の愛用者が多くいます。時計作りのみならず、マーケティングにおいても成功している点、父譲りの才覚を感じることができますね!

代表モデル:チャレンジクロノⅡ

クストスのブランド創業メンバーには、元カルティエのデザイナー、アントニオ・テラノヴァが迎えられました。フランク・ミュラーのオーナーの息子と、元カルティエのデザイナー。クストスの時計が、どれも個性的であり、かつ品格を感じるものであるのは、このタッグによるものです。

現行モデルは70以上のラインナップがありますが、ここでご紹介したいのは、チャレンジクロノⅡカーボンというシリーズ。軽量で強靭なカーボン素材を用いたトノー型ケースに、自動巻き3カウンタークロノグラフを搭載したスポーツモデルです。

公式サイトより引用:https://cvstos.jp/index.html

カーボンケースは、最近ですとゼニスやパネライがラインナップに加えておりますが、製造工程が非常に手間のかかるものであり、『ダイヤモンドを作るようなもの』と表現されるほど。故に、ゴールド素材並みに貴重とされています。

クストスは、性能、効率性、気品、希少性という4つの価値観を体感できる、新世代の高級時計なのではないでしょうか。

ピエール・クンツ

続いてご紹介するのはこちら。2002年創業のピエール・クンツです。ピエール・クンツというブランド名は、創業者の名前そのまま。1959年スイス生まれの時計師であり、1997年よりフランク・ミュラーグループで腕を振るった実績を持ちます。

公式サイトより引用:http://www.pierrekunz.jp/index.html

複雑機構を得意とし、その中でも特に才能を発揮したのは、レトログラードという機構の開発でした。レトログラードは、針の回転で時間を表示する通常の機構とは異なり、針が反復することで時間およびその他の表示を行うというものです。その才能は、フランク・ミュラー本人をも唸らせ、お墨付きという形で2002年に独立を果たした、という経緯を持ちます。

代表モデル:パピヨン

ピエール・クンツの時計、やはり見ておきたいのはレトログラードをめい一杯楽しめるモデル。こちらはパピヨンというモデルですが、ファーストコレクションのハイライトとして、現行モデルでも展開されている人気モデルです。

文字盤左側に時間。右側に分。秒針はなく、29.5日周期のムーンフェイズが搭載されています。

公式サイトより引用:http://www.pierrekunz.jp/index.html

フランク・ミュラー本人をもってして、『こんなに美しい時計を見たのははじめてだ。』と言わしめたことで、ピエール・クンツはいつしか “レトログラードの魔術師” と呼ばれるまでになったとか。

レゼンボワール

続いてご紹介するのは、時計師ではなく時計愛好家たちによって創業された異色のブランド、レゼンボワール。

公式サイトより引用:https://www.reservoir-watch.com/ja/

2016年にフランスで誕生したこのブランド。創業者は、フランソワ・モローという人物です。彼の経歴は、なんと金融業界。時計師でもなければ、時計業界での経験もなし。腕時計、そして計測機器の熱心な愛好家です。

彼は、『これまでにない本物のラグジュアリーウォッチを手頃な価格で届けたい』という強い思いを持って、時計業界に参入。同じく時計愛好家であるメンバーを経営陣に迎え入れ、スイス・ラショードフォンに工場を設置。自動車や潜水艦、航空機の燃料計やメーターからインスパイアされたデザインの時計を、世に送り出しています。

2018年には、日本にも正規上陸を果たし、複数の店舗で取り扱われています。

代表モデル:ロングブリッジ クラブ ローズゴールド

レゼンボワールのラインナップは、陸、海、空と3つのカテゴリーで展開。それぞれの計器を模したデザインが特徴です。

こちらはカーズコレクションのロングブリッジというモデル。イギリスの名門自動車ブランド、ブリティッシュ・モーター・コーポレーションの車載メーターをイメージした文字盤デザイン。レトロ感のある顔立ちに、18Kローズゴールドのケースの組み合わせは、可愛らしくもあり、力強くもある。そんな印象です。

公式サイトより引用:https://www.reservoir-watch.com/ja/

機械部分は、ETA製のベースムーブメントを使用し、そこに124個もの部品を追加。車載メーターらしく、レトログラード式で仕上げています。

ちなみに、他のコレクションもすべてレトログラード式です。複雑機構の機械を、趣味的な領域で楽しむ。時計業界出身者でないメンバーだからこそ出来る、遊び心あるブランドですね。

ユーボート

最後にご紹介するのはこちら。2000年創業のイタリアブランド、U-BOAT。イタリア・ルッカに本拠地を置く同ブランド。創業者はイタロ・フォンタナ。彼の祖父は、第二次世界大戦中に軍用ウォッチのデザインを行っていた人物です。

その当時デザインされた時計は、製造ラインに乗ることはありませんでしたが、孫のイタロによって復活が成されました。ところで、第二次世界大戦前に作られたイタリア軍用の時計というと、パネライのラジオミールが有名ですよね。ラジオミールは1936年に作られ、その後1940年頃より実際に戦地で使用されました。

対してイタロの祖父が、海軍にデザインを提出したのは1942年。戦地の状況次第では、ラジオミールとともに活躍した可能性もあるわけで、、、そう考えると、胸熱じゃないですか!

代表モデル:クラシコ ソンメルソ ラバー

この顔立ち。まさにイタリア海軍をイメージさせるデザインです。こちらは、クラシコというラインの、ソンメルソというモデル。

文字盤のバーインデックス部分に夜光が施されているのですが、パネライと同じ、いわゆるサンドウィッチ文字盤を使用しています。夜光をたっぷり塗ったプレートに、インデックス部分をくり抜いた文字盤を乗せるという、仕様ですね。

サンドウィッチ文字盤は、夜間でも明るく光って見やすいことと、夜光部分が経年ではげ落ちるのを防ぐ効果があります。

U-BOATの時計、もう一つ特徴的なのは、左側に配置されたリューズ。すべてのモデルがレフティ仕様です。これはかつて創業者の祖父がデザインしたものをそのまま踏襲しているわけですが、おそらく軍からの要望による仕様なのではなかろうかと。

注文した将校が左利きだったのか、はたまた潜水作業時の実用性としての仕様なのか、、、いろいろ想像できて楽しいですね。

まとめ

以上、本日は気になる新興ブランドについて、お届けいたしました。個人的に一番気になったのは、ピエール・クンツでしたね。誕生背景もわかりやすいですし、デザインもメチャクチャかっこいいと思いました。

今回ご紹介できたのは、おそらくほんの一部で、2010年以降にできた真新しいブランドでも、まだまだたくさんあるんですよね、きっと。

また気になるブランドがあったら、都度ご紹介していきたいと思います。