2018.02.28

知っておきたい!アンティーク オメガを長持ちさせるメンテナンスの基本

クロノグラフやダイバーズだけでなく、アンティークウォッチとしても有名なオメガ。近年では大ヒット映画「ラ・ラ・ランド」で、主演のライアン・ゴズリングもヴィンテージオメガを身につけていましたね。

そんなオメガのアンティークで気をつけたいのが、購入後のメンテナンス。慣れない機械式のうえ、古い作りのアンティークは思わぬところで故障してしまうことも!

今回はアンティーク オメガを長持ちさせるために気をつけたいポイントをまとめました。

目次

  • アンティーク オメガとは
  • 日常使用の注意点
  • 定期的なメンテナンス(オーバーホール)
  • まとめ

アンティーク オメガとは

厳密な区分けはありませんが、1900年代初頭から1960年代(一部1970年代)までに製造された時計をアンティークないしヴィンテージウォッチと呼びます。

現在でも市場でよく見かけるオメガのアンティークは60年代が多く、次いで50年代や70年代前半が流通しています。

1969年に起きた「クオーツショック(クオーツ時計の普及)」により機械式時計は大きく衰退へと向かったため、1960年代がアンティーク(ヴィンテージ)時計の全盛期と言われています。

「アンティーク」と「ヴィンテージ」の違い

主な扱い方は同じのため、この記事では「アンティーク」と「ヴィンテージ」は区別せずに取り扱っています。

そもそも厳密には両者は異なり、アンティークは100年以上前のもの、ヴィンテージはそれよりも新しいものとされています。

もっとも時計業界では基準が少しずれ、1960年ごろをアンティークとヴィンテージの境目として取り扱うという見解もあります。

日常使用の注意点

ヴィンテージ時計の普段使いにおいては、次の点に気をつけて使用しましょう。

強い衝撃を加えない

機械式時計全般に言えることですが、アンティーク時計の場合は特に気をつけたいのが「衝撃」です。

ケースにキズが付いてしまうのはもちろん、アンティークの中でも1940年以前に製造されたムーブメントには耐震装置が無いことも。

時計の姿勢によって動きが止まるといった症状が出た場合は、強いショックが原因であることが考えられます。

スポーツのように激しい動きを行う際には、必ず外すことを忘れないようにしましょう。

水に触れさせない

シーマスターのように一定の防水性があるシリーズでも、ヴィンテージの場合はできるだけ水からは遠ざけてください。水没は絶対にNGです。手洗いなども可能な限り外して行いましょう。

アンティークウォッチは発売当時は防水性があっても、長い年月で部品が変形したり劣化することがあります。そのため私たちが使用する現時点では、気密性はすでに保証されないものと考えましょう。

水が時計の内部に入ってしまうと、早くて数日でサビが発生・進行してしまいます。軽症で済ませるためにも、水没や水の侵入後が速やかに修理店に持ち込んで水没した旨を伝えてくださいね。

磁石や電気製品に近づけない

今でこそマスタークロノメーターといった最強の耐磁性をもったモデルが登場していますが、オメガであってもアンティークの場合はまた別の話。

アンティークの場合は日差1分程度であれば許容範囲ですが、3分以上ずれる場合は不具合といえます。原因として多いのが「磁気帯び」です。

ムーブメントに使用されている部品が磁気を帯びることで、正しい動作が行えない場合にズレが発生します。軽度であれば1000円程度で脱磁も可能ですが、重度の場合はパーツの交換でしか対応できないこともあるので要注意です。

磁石に近づけないのはもちろんですが、スマホやパソコン、冷蔵庫にレンジといった電気製品の近くで保管しないことも重要です。

定期的なメンテナンス(オーバーホール)

コーアクシャルムーブメントのオメガであれば10年に1度と言われているオーバーホールも、アンティークであれば3〜4年に1度は行いたいところ。

アンティークを扱う時計店以外で購入した場合は長い間オーバーホールが行われていない可能性もありますので要注意です。

オーバーホールが必要な理由

そもそも機械式時計にオーバーホールが必要な理由は、主に以下の点があげられます。

  • ブレス・ケースの汚れを除去・研磨によって外観をキレイに保つため
  • 新たに注油することでムーブメントの動きをスムーズにするため
  • ケース内部の故障・破損のチェックするため
  • 防水性や精度といった機能性を維持するため
  • 消耗パーツの交換によって、大きな破損事故を回避するため

特にヴィンテージのように古いタイプの時計ですと、目に見えない部分の損傷が激しくなっている可能性も大いに考えられます。

場合によっては交換用の部品が入手できず、修理不可となる可能性もゼロではありません。こまめ、と言っても3〜4年に一度のオーバーホールが、アンティーク オメガを長持ちさせるポイントになります。

まとめ

部品や構造が丈夫だからこそ、現代でも動き続けるアンティーク オメガは根強い人気を誇っています。

購入後も長く使うために、そしていつか高値で手放せるためにも、日々丁寧に使用したり定期的なメンテナンスはしっかり行いましょう。

参考記事:
査定に響く?オメガで気をつけたい故障・不具合とは
壊れたオメガの対処法まとめ|修理から売却まで