スイス製腕時計の輸出量が6年ぶりに減少とのことで話題になっています。
中国人ユーザーの『爆買い』が息切れし、主戦場のアジアでの需要が衰えている様子です。
そこに加えてスマートウォッチの普及が重なり、、、ロレックスの価値への影響やいかに。
目次
- スイス製ウォッチ6年ぶり輸出減
- スイス製ウォッチの最大の顧客は中国人
- スマートウォッチへの影響は
- まとめ:ロレックスへの影響は
引用記事:日本経済新聞
スイス製ウォッチ6年ぶり輸出減
スイス時計協会が19日発表した10月の時計輸出額は前年同月に比べ12%も落ち込んだ。下げ幅は2009年10月以来、6年ぶりの大きさだ。クレディ・スイスでスイス産業の研究を担当するエミリ・ガシェ氏は「主力のアジア、それに米国の市場縮小が響いている」と指摘する。
今年10月の下げ幅ですが、2009年10月に匹敵するとのことです。
2009年10月と言えば、ギリシャの財政赤字が公表されていた数字より大きいことが分かって、世界経済に不安を轟かせた、いわゆる『ギリシャショック』の時期です。
今回のスイス製ウォッチの輸出減は、なぜあのギリシャショックのレベルにまでなってしまったのでしょうか。
スイス製ウォッチの最大の顧客は中国人
最大要因は中国の需要減だ。10月の輸出額を国・地域別に見ると、最大の輸出先で中国本土からの旅行者の需要が大きい香港向けが4割近く減った。
スイス製ウォッチの最大の輸出国は香港ですが、本土から近いということもあり、中国人観光客が「爆買い」する場所として人気の観光地となっています。
しかしながら、その中国政府が香港への渡航規制を行ったり、香港ドルが対人民元で上昇したこともあり、観光客が減少。
加えて、アメリカやドイツ、イタリアなどでも、スイス製ウォッチの需要は減少しており、中国人による「世界的な爆買い」へのモチベーションが下がってきたのではという見方もできるようです。
スマートウォッチの影響は
中国人ユーザーの買いの減速に加え、もうひとつの波がスマートウォッチの普及です。
さすがに1970年代のクォーツショックほどではありませんが、機械式時計離れを進めませる要因のひとつであることは間違いありません。
ただし、影響が出るのは、あくまで価格帯が同じものに限られます。
100万円の時計を購入することに悩んでいる人が、いきなり10万円のスマートウォッチに切り替えるということは起こりにくいです。
スマートウォッチの普及による売上への影響は、TISSOTやORISなど、10〜20万円で購入できる中価格帯のブランドに強く表れているようです。
まとめ:ロレックスへの影響は
今回のスイス製腕時計の輸出減ですが、要因となっているのが、「爆買い中国人ユーザー」と「スマートウォッチの普及」ということで、どちらも中価格帯への影響が顕著です。
ロレックスをはじめとする、パテックやブレゲ、オーデマなどへの影響はほとんどないと考えてよいでしょう。
ロレックスの相場は、今後しばらくの間は、大きく上下する事はなさそうです。