ベゼルとは、時計本体と風防ガラスを固定するために用いられるリング状のパーツのことを言います。ロレックスに使用されているベゼルは、単に機能的な役割を果たすためではなく、時計の顔の一部として、いくつものデザインが用意されています。代表的なベゼルの種類を写真で見ていきましょう。
目次
- スムースベゼル
- ドームベゼル
- フルーテッドベゼル
- エンジンターンドベゼル
- タキメーターベゼル
- 無回転GMTベゼル
- 両回転GMTベゼル
- 逆回転防止ベゼル
- リングコマンドベゼル
- 宝飾ベゼル
- ベゼルなし
スムースベゼル
デイトジャスト、エクスプローラー1、ミルガウスなどに使用。ポリッシュ仕上げとマット仕上げがあり、時代やモデルにより仕様が異なります。主張が強くなく、シンプルなデザインを好む方に人気です。
ドームベゼル
オイスターパーペチュアルシリーズに使用。ポリッシュ仕上げのみの展開で、ステンレス素材でも十分に高級感を演出できます。
スムースベゼルとドームベゼルを合わせた総称として、プレーンベゼルと呼ぶこともあり、ドレスモデルでは次に紹介するフルーテッドベゼルと人気を二分する存在となっています。
Refナンバーのベゼル識別番号は”0″と表記されます。(エクスプローラーのみ”7″と表記)
フルーテッドベゼル
ロレックスの多くのドレスモデルで展開のあるベゼルです。フルーテッドとは、縦縞を意味する言葉で、ヨーロッパの磁器に描かれる模様としてもおなじみの言葉です。
縦縞とは言いつつも、立体的に彫り込まれているデザインなので、ギザギザと表現した方がわかりやすいかもしれませんね。ゴールド素材の展開しかないため、ステンレスにはない輝きを放つことが魅力です。
Refナンバーのベゼル識別番号は”3″と表記されます。
エンジンターンドベゼル
航空機のエンジンがターンド(回転)している様に見えることからそう呼ばれるベゼルです。アンティークやヴィンテージのデイトジャスト、エアキング、オイスターシリーズに採用されており、独特の風合いがオールドルックファンの心を掴む存在です。
上記2枚ともエンジンターンドベゼルです。上が1分ごと、下が5分ごとに彫り込みを止めているデザインになっています。
Refナンバーのベゼル識別番号は”1″と表記されます。
タキメーターベゼル
コスモグラフデイトナのみに採用されるのがタキメーターベゼルです。クロノグラフムーブメントと合わせることで、時間から時速を割り出す事が可能です。
デイトナには、ステンレス、ゴールド、プラチナが存在しますが、2016年以降のデイトナには、セラミック製のベゼルが装備されるようになりました。
Refナンバーのベゼル識別番号は”2″もしくは”0″で表記されます。
無回転GMTベゼル
GMT針で24時間表記を読む事ができるベゼルですが、回転機能を有しないのは、エクスプローラー2にのみ装備されているこのベゼルです。
もともとのコンセプトが洞窟探検というエクスプローラー2ですが、回転機能がないことで、ガシガシ使っても壊れにくく、丈夫な構造になっています。
両回転GMTベゼル
同じGMTベゼルでも、両方向に回転可能なのがGMTマスターに装備されるベゼルです。歴代のGMTマスターの他、見た目こそ異なりますが、ヨットマスターにも両回転ベゼルが使われています。
また、このベゼルはツートンカラーなどデザイン面でも楽しいのが特徴で、過去にはペプシベゼルやコーラベゼルなどという呼び名で親しまれた人気モデルもありました。
逆回転防止ベゼル
サブマリーナやシードゥエラーなどのダイバーズモデルでは、潜水時間の認識にベゼルを使用するため、片方にしか回転しないタイプが用いられています。
サブマリーナデイトでは2010年から、シードゥエラーでは2008年から、それぞれ素材がセラミック製になり、より傷つきにくく、目盛りが擦り切れない仕様になりました。
サブマリーナのベゼルは3色の展開があり、それぞれ本体の素材に合わせて用いられています。GMT同様見て楽しめるのが特徴です。
リングコマンドベゼル
スカイドゥエラーのベゼルは、一見するとフルーテッドベゼルです。しかしこれ、なんと回転します。リングコマンドという構造で、ケース内部でムーブメントと連動しており、3つの時間帯を操作することができるようになっています。
ヨットマスター2にもリングコマンドが用いられていますが、デザインは見ての通り全く異なります。
宝飾ベゼル
ロレックスの最高級ラインに見られるのが、宝飾ベゼルです。ダイヤモンド、サファイア、ルビー、エメラルドなど、様々な宝石が規則正しく並べられた美しいベゼルです。
デイデイトや、レディデイトジャストのゴールドモデルのみならず、スポーツモデルにも宝飾ベゼルの展開が存在します。
こちらはデイトナ・レパード。ベゼルに使用されている宝石は、コニャックサファイアです。
こちらはレインボーベゼル。様々なカラーのサファイアをグラデーションになるように並べています。サファイアは青だけではなく、様々な色のものが存在するのですね。(写真はアフターカスタムでレインボーベゼルに取り替えた個体です。)
ベゼルなし
写真はアンティークのレディースモデルですが、古い時計でオイスターケースを用いていない場合、ベゼルを使用していないものも存在します。
ベゼルがないというか、ケースと一体型になっており、ダイヤルも風防も裏面からはめ込む構造になっています。