※この記事はウォッチ買取応援団としてYoutubeにアップした動画、「セイコーは140周年!2021年○○周年を迎える腕時計ブランド5選」の書き起こしです。
今年の注目! ○○周年を迎える時計ブランド5選 について、紹介します。きっと今年は周年モデルを出してくるであろう 時計ブランドです。
目次
ジラール・ぺルゴ 230周年
今年創業230年を迎える超老舗ブランド、 ジラール・ぺルゴ。
ブランドの創業は1791年。 創業の地はスイス ジュネーブ。 創業者ジャン=フランソワ・ボットが 21歳の時に構えた『ボット社』という工房が、 ブランドのスタートとなります。
ジャンは時計作りの才能もあるだけでなく、 商売の才覚にも恵まれた人物。 自らヨーロッパ中に販路を作るなど、 セールスにも注力。 早々に数百人の従業員を抱える企業へと、 ブランドを成長させていきました。
その後、コンスタン・ジラール&マリー・ぺルゴ夫婦 へと経営が引き継がれたことで、 ブランド名がジラール・ぺルゴへと変更され、 現在に至ります。 ただ、ジラール・ぺルゴといっただけでは、 なにそれ?知らない。という方も多いはずです。
歴史も長く、わかりやすい功績も多々あります。 例えば、世界で初めて軍用腕時計を作ったのは このブランドと言われています。 また、日本に初めてスイスウォッチの代理店を 作ったのもこのブランドです。
さらに、クォーツ式ムーブメントの振動数、 現在の世界基準になっている毎時32,768Hz。 これを作ったのもジラール・ぺルゴなんです。 まあ、1970年代当時は、 精度を求めた過ぎたことで他の課題がクリアできず、 量産でセイコーに遅れを取ってしまったわけです。
後にスタンダードになったのは、 当時のセイコーの作りではなく、 ジラール・ぺルゴの方だったと。 凄いことじゃないですか。 ただ、こういった偉業があるにも関わらず、 日本での知名度向上の動きがとにかく地味。笑 ほとんどPRはせず、知る人ぞ知るブランドという ところに留まっています。
かなりの時計好きでないと知らない。 でも、そこがまたいい!通好みです。
さて、今年でブランド創業230周年ということで、 おそらく記念モデルが出てくると思います。
予想されるのは、やはりスリーゴールドブリッジや、 フリーブリッジといったハイエンドモデル。 トゥールビヨンを搭載したコンプリケーションモデル、 この辺りは硬いかと。 ブランドが持つ時計作りの技術を思いっきり 盛り込んだ作りで、ぜひやってほしいですね! ジュネーブウォッチグランプリの最高賞も 狙ってくるんじゃないかな、きっと。 大いに期待したいところです!
あとは1966やロレアートなど、 既存の人気モデルが特別カラーを出してきそうです。
1966は最近アヴェンチュリンダイヤルを使用した オリオンというバリエーションを発売したばかりです。 例えばそこにムーンフェイズを追加したり、 ダイヤモンドベゼルにしたりと、 230周年を祝うような華やかな仕様もあるかもしれません。
ロレアートもブラックオニキスを使用した インフィニティエディションに何かしらの機能を追加 ということがありそうな予感です。
いずれにしても楽しみで仕方がありません。 230年、盛り上がってくれることを祈ってます。
ユンハンス 160周年
続いて、今年160周年を迎えるドイツウォッチの 老舗ブランド・ユンハンスです。
創業は1861 年。 創業の地はドイツ南西部シュヴァルツヴァルト地方 の中心部シュランベルク。
創業者エアハルト・ユンハンスが、 時計部品工場を設立したことが起源となります。 創業初期はハト時計の部品製造から始まり、 1866年より自社製クロックの製造を可能に。 また、当時大量生産において、 スイスよりも先を走っていたアメリカに目を向け、 ドイツにおいてそのスタイルを導入。 結果、3,000人以上の従業員を抱える 一大ブランドへと成長し、 1930年代にはロレックスやオメガと肩を並べるほど 有名なブランドになりました。
一度も途絶えることなく歴史が続いていることも、 このブランドの特筆すべきポイントです。 ドイツの時計ブランドの多くは、 戦争によって一時休眠状態になっていますが、 ユンハンスはタイミングよく事業を縮小しており、 ナチスによる弾圧も回避できたとのことです。
代表的なモデルは、やはりマックスビルでしょうか。 ドイツの伝説的なデザインアカデミー・バウハウス を卒業したプロダクトデザイナーの名を冠した時計。 “ デザインは機能に準ずる。 “という理論の元、 時間を読むこと以外を極限までそぎ落とした作りとなっております。
かつ視覚によって直感的に読み取れるよう、 細部にまで拘り抜かれた作りは、 まさにバウハウスデザインの王道スタイル。
2019年には、バウハウス開校100周年を記念した 特別モデルが発売され、大きな話題になりましたね。 実は私も狙っておりましたが、 発売後即完売になってしまい、 実物見ることすらできませんでした。
160周年モデル、もし発売されるとしたら、 おそらくマックスビルかと思います。 あとはマックスビル登場以前からあるコレクション マイスターもありそうです。
基本的に複雑機構はクロノグラフまでしか 作っていないので、 記念モデルもシンプルな3針かクロノグラフで あることが予想されます。
通常モデルをベースに、 インデックスや針のカラーを特別なものにしたり、 裏蓋のデザインを変えたりと、 小さいながらもファンの心を掴む仕様に きっとしてくるでしょうね。 発売されるかどうかわかりませんが、 楽しみに待ちたいと思います。
セイコー 140周年
続いて、3つ目の注目ブランドは、 日本が誇る巨大時計メーカー・セイコーです。
1881年創業から、今年で140周年を迎えます。 和暦でいうと明治14年。 創業者は後に東洋の時計王と呼ばれる男 服部金太郎氏です。
服部時計店として、創業当時はまだ珍しかった 海外の時計を輸入販売するところからスタートしました。
1892年頃よりクロックの自社製造を開始し、 量産体制をも整えていきました。 その時、海外視察を繰り返して 多くのノウハウを持ち帰っていたことから、 時計のトレンドが懐中時計から腕時計へとシフト する流れにも早々に乗ることが出来たんですよね。
世界初の市販腕時計はカルティエのサントスで、 それが発表されたのは1904年。 実際に売られ始めたのは1911年頃です。
対してセイコーが腕時計を発売したのは、 1914年のローレルというモデルが最初です。
本場スイスから遅れる事、たったの3年です。 世界的に見ても、まだ腕時計作りを 行っている会社は少なかった時代。 当時から世界レベルの製造能力を持っていたこと、 お分かりいただけるかと思います。
また、セイコーと言えば、クォーツウォッチです。 先のジラール・ぺルゴのところでも触れましたが、 セイコーはクォーツウォッチの量産化を 世界に先駆けて実現しました。
さらに、その特許を公開するという荒業です。 正確な時間を知りたいという すべてのニーズに答えるべく、 世界中の時計メーカーにクォーツウォッチの作り方 を教えてしまったんです。
1970年代、クォーツウォッチに世界が熱狂した。 これが世にいうクォーツショックというやつです。 なので、セイコーさん、 未だにスイスから恐れられている存在なのだとか。
さて、今年は創業140周年ということで、 周年モデルや限定モデルが大好きなセイコーが、 このタイミングになにも仕掛けないわけがない。 ということで、2020年末には、 往年の名作キングセイコーの復刻モデルを発表。 2021年1月22日に発売することが発表され、 まさにお祭りがスタートしたわけです。
また、既に140周年特設サイトも公開されてます。 この動画作製時には、 まだティザームービーのみ公開となっていますが、 これからここに記念モデルがどんどん追加されて いくものと思います。
キングセイコー以外に、 記念モデルとしてありそうなのは… まったく読めません。笑 モデル数が多いので、予想は無理ですよね!
オリエントスター 70周年
日本のブランド・オリエントより。 オリエントスターが今年70周年を迎えました。
オリエントスターというのは、 オリエントというブランドの中にある1つのライン。
秋田県の工房で、熟練の職人によって作られる、 本格派の機械式時計のラインです。 セイコーでいうと、クレドールみたいなものですかね。
オリエント自体は、1950年創業なので、 昨年が70周年の年でしたが、 オリエントスターは1年遅れの1951年登場。
ということで、今年2021年が記念の年となります。 複雑機構まで自社で作れるブランドですから、 記念モデルはぜひ複数種類で出して欲しい。 文字盤の仕上げや、得意のオープンハートなど、 らしさ全開の楽しいモデルを期待したいですね!
ロレックス エクスプローラー2 50周年
続いて、こちらは50周年を迎えます。 ロレックス エクスプローラー2です。
1971年、エクスプローラー1の上位機種として登場。
昼夜の区別がつかない、 極地での探検用に作られた時計です。 その丈夫さから気球での成層圏到達チャレンジや、 火山研究、北極探検、洞窟探検など、 もうこれ以上過酷な自然環境はないよ! という場所で使われてきました。
エクスプローラーシリーズは、 2020年にリニューアルされなかったため、 現行のピュアスポーツモデルでは唯一 31系ムーブが積まれたままになっています。 なので、エクスプローラー2のモデルチェンジ、 あるとしたらこのタイミングなんじゃないかな。
ロレックスが公に周年記念モデルとすることは 考えにくいですが、ちょっと斬新なカラーや仕様、 期待してしまいますよね! 楽しみです!
まとめ
以上、2021年今年注目の時計ブランドおよび コレクション、合わせて5つご紹介してきました。
時計業界に限らずですが、製造業に関しては、 引き続き厳しい状況が続くものと思います。 しかし、だからこそ盛り上げていきたいです。