2019.12.13

【基礎知識 vol.1】時計のインデックスとは|時間の読みやすさとデザインの両立

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このサイトをご覧になっている方の中には、最近時計に興味を持っていろいろ見始めたという方も多くいらっしゃるかと思います。奥深く、知れば知るほど楽しい腕時計の世界。

しかしながら、時計のデザインやパーツの名称は、どれも普段聞きなれないものばかりですよね。そんなあなたを腕時計の深い世界の入り口へと導くシリーズ。

毎週1ワードずつ、時計の基礎知識・基礎用語をお伝えしていこうと思います。第一回目の今日は、『インデックス』という言葉について。

基礎をしっかり押さえ、より深く楽しい世界へ!一緒に飛び込んでいきましょう!

目次

インデックスとは?

さて、インデックスってなに?というところから簡単に説明していきます。

インデックスとは、アナログ表示の時計において、文字盤内の時間を表す1〜12までの数字が入る部分のことを指します。画像、赤丸が付いている部分のことですね。別名アワーマーカーとも呼ばれます。

インデックスの大目的は、針とともに時間を表示すること。針だけだと読みにくいので、こうして印をつけて、読みやすくするという意味があります。

目的や用途によって様々な形状がある

この説明だけだと、単になにかしらの印が付いていればいいだけとなってしまいますが、インデックスの面白さはその形状。ブランドやモデルによって、また時計の用途や目的によって、様々な形状のものが使われているんです。例えば、こちらの画像。

左がロレックスのサブマリーナデイトという時計。右が同じくロレックスのデイトナという時計。

この2本は、時計の用途・目的が異なります。左のサブマリーナデイトは、ダイバー用なので、海の中での使用を想定して作っています。そのため、暗がりでも時間が読みやすいよう、たっぷりと夜光塗料が塗られた、大きなドット型のインデックスが使われています。

一方、右のデイトナは、カーレース用なので、車での高速走行中に使用することを想定してます。
レース中、パッと見たときに読みやすく、なおかつ秒単位での確認ができるよう、針とのサイズバランスまで考え抜かれた楔型のインデックスが使われています。

用途・目的による違いの他、さらにこんなケースも。画像は、右も左も同じロレックスの時計、しかも同じモデル。どちらもデイトジャストというモデルです。

この場合、同じ時計なので、用途・目的は同じ。なので、インデックスはデザインのバリエーションとして、使い分けられています。同じ時計にも関わらず、インデックスのデザインが違うだけで、ここまで印象が変わるものなんです。

インデックスは、時間を読むという大目的を果たしながらも、フェイスデザインの要にもなっているということがお分かりいただけるかと思います。

ではここからは、どんな種類のインデックスがあり、そしてどのようなデザインで表現されているのか、一緒に見ていきましょう!インデックスの大まかな種類は、こちらの5タイプがあります。

  • バータイプ
  • ローマ数字
  • アラビア数字
  • ドットタイプ
  • 宝飾タイプ

それぞれ、ブランドやモデルによって、デザインが異なりますので、特徴的なものを一部ご紹介していきますね!

バーインデックス

まずはバータイプ。細長い棒形状のインデックスです。

無駄がなく、時計全体がスタイリッシュにまとまるデザインです。スーツやタキシードに似合うドレスウォッチに、よく使われるインデックスですね。画像はオーデマ・ピゲ ロイヤルオーク という時計。繊細ながらも立体的なバーインデックスは、文字盤全体に施されたタペストリー模様をより美しく引き立てています。

他にも、セイコー プレザージュ。ロンジン コンクエスト ヘリテージ。それから先ほど少しご紹介した ロレックス デイトナ。

これらも大まかな分類ではバータイプに入ります。棒状ではなく、先端を絞った形にしたり、バーを2本並べてより立体的にしたり、アレンジを加えていますね。シンプルながらも、細かい仕上げで個性を持たせられるのが、バーインデックスの魅力です。

ローマインデックス

バータイプに次いで、ドレス系の綺麗めウォッチに使われることが多いのが、ローマ数字のインデックス。

ローマ数字そのものが雰囲気あるものなので、時計にラグジュアリーな印象を追加してくれます。ローマ数字のインデックスを使った時計というと、カルティエが有名かと思いますが、ここであえてご紹介したいのは、ブレゲのマリーンというモデル。

ラバー製のベルトを用いたスポーティーなマリンスポーツウォッチですが、インデックスのローマ数字でラグジュアリーな印象に。大人の余裕を感じさせる、優美な時計に仕上げられています。

ブレゲの針の形状とも、非常にマッチしています。ローマ数字のインデックスは、ラグジュアリーなだけでなく、クラシカルな雰囲気もより強めてくれますね。

アラビアインデックス

続いて、こちらは同じ数字でもガラッと印象が変わるアラビア数字のインデックス。クラシックなものから、スポーティーなものまで、非常に汎用性高く使われているのが、このタイプです。

例えばこちら。IWCのポルトギーゼという時計ですが、1~12まで、すべてアラビア数字が使われています。幅広のフォントながらも、フォントサイズは小ぶりなものに。読みやすさとスタイリッシュなデザインを両立させています。

アラビア数字のタイプは、他のインデックスと組み合わせて使われるケースも多くあります。

画面左が、アラビア数字とバーの組み合わせた ヴァシュロン・コンスタンタン フィフティシックス。真ん中は、アラビア数字とローマ数字を組み合わせた ロンジン ザ・リンドバーグ。そして右の ロレックス エアキング は、同じアラビア数字を使って、369という短針用目盛と、5分刻みの長針用目盛を組み合わせています。

また、アラビア数字インデックスの面白さを、大胆に教えてくれるこんな時計も。フランクミュラー ロングアイランド・クレイジーアワーズ というモデル。

この大胆なランダム配置。読みやすく理解しやすいアラビア数字だからこそできる技ですね。数字自体のデザインも個性的です。組み合わせで使ったり、デザインで遊んだりできる汎用性の高さ。アラビア数字インデックス最大の強みだと思います。

ドットインデックス

続いて、冒頭で少し触れたドットタイプ。ダイバーズウォッチやパイロットウォッチによく見られるのがこの仕様です。

画像は、左がダイバーズウォッチ。セイコー プロスペックス LXライン。右はパイロットウォッチ。ロレックス GMTマスター2です。
大きめのドット、そして三角形や四角形、ベース型などの組み合わせで使われていることが多く、パッと時計を見たときに、ざっくり分単位または時間単位で読み取ることに適しています。

ドットや多角形のインデックスは、夜光塗料が使える面積も広いため、暗がりで見やすいものに仕上げることも可能です。ちなみに、厳密な境目があるわけではありませんが、ドットの中でも小さなものに対しては、ポイントインデックスと呼ぶこともあります。

宝飾インデックス

ラストは、宝飾インデックス。ダイヤモンドやサファイアなどを用いた、豪華な仕様です。

画像左から、ロレックス デイデイト、ウブロ ビッグバンウニコ、シャネル J12。宝石の種類やカラー、セットの仕方などは、各ブランドによって様々。

こちらのデイデイトは、10色のバケットカットサファイアを使用。グラデーションで移りゆくレインボーカラーは、美しいだけでなく、気分を楽しくさせてくれますよね。

ウブロ ビッグバンウニコ は、アラビア数字上に細かくダイヤモンドが配置。遠目では数字としてしっかり認識でき、視認性にも配慮されたデザインになっています。

そしてブラックのシャネルとダイヤモンド。この組み合わせは素晴らしいですね!マドモアゼル・シャネルの女性的なデザインと、J12の男性的なデザインが見事に融合されています。

どれも、時間を読むという本来の目的を忘れてしまいそうな美しさですね。

まとめ

以上、本日は腕時計の基礎知識『インデックス』について、お届けいたしました。最後の最後に番外編。こんな感じで、インデックスを持たない時計もあります。

 

いま何時なのか、一瞬見ただけではわかりませんが、これはこれでカッコいい。次に時計屋さんに訪れる際は、ぜひインデックスに注目して、いろいろなモデル眺めてみてくださいね!