※この記事はウォッチ買取応援団としてYoutubeにアップした動画、「リファレンスナンバーの読み方 ロレックス編|腕時計の基礎知識・基礎用語」の書き起こしです。
腕時計初心者の方向けに、毎回1ワードずつ、時計の基礎知識・基礎用語をお伝えしていくシリーズ。 今回は『リファレンスナンバー』について。
目次
- ロレックスのリファレンスナンバー
- GMTマスター2を例に見ていこう
- A.ランゲ&ゾーネの概要
- 2桁目はムーブメントか
- ケースの違いはどこに出る?
- 5桁目はベゼルの仕様
- 6桁目は外装素材
- アルファベットはベゼルカラー
- 非公式の表記もある
リファレンスナンバーというのは、モデルごとに付けられた番号のこと。 Refや型番、商品ナンバーなどども言います。 ブランドごとにルールが設けられており、数字のみまたは英数字で記載されます。
これを知っておくと、よりマニアックな会話が繰り広げられる時計ファンの会話に、ちょっとだけ首を突っ込めるようになります。笑
今回は、ロレックスのリファレンスナンバーを例に、その読み方についてお伝えしていきます。
ロレックスのリファレンスナンバー
今回お伝えするのはロレックスのリファレンスナンバー。 モデル名を番号で表記したものです。 ロレックスの新作は毎年春に発表されるんですが(2020年は異例)、その度、新作予想が世界中のファンたちによって行われています。
今回はサブマリーナーがリニューアルしそうだよね!とか、エクスプローラー1が10年経つからそろそろモデルチェンジかもね!とか。 そして、その会話には必ずと言っていいほど、リファレンスナンバーの予想もついてきます。
サブマリーナーがモデルチェンジとなると、リファレンスナンバーはおそらく126610LNかな!とか、エクスプローラー1なら224270なのかな?とかですね。 新作の予想まではわかるけど、なぜリファレンスナンバーの予測まで可能なのか? それは数字に意味があり、その法則に沿って変更されるからなのです。
GMTマスター2を例に見ていこう
例を元に数字の意味を一つ一つ確認していきましょう。
ここではGMTマスター2のステンレススチールモデル、青黒2トーンカラーを例にして、見ていきたいと思います。
GMTマスター2 青黒2トーンカラーのリファレンスナンバーは、126710BLNRです。 これを図のように、あ・い・う・え という風に分けます。 この4つに分けた部分、それぞれが意味を持っています。 1つずつ見ていきましょう。
最初の4桁は『時計の種類』
まずは『あ』の部分。 最初の4桁。 ここは、時計の種類(モデル名)を表している部分です。 GMTマスター2の場合、ここが1267となります。 では、他のモデルの場合はどうでしょうか。
例えば、デイトナなら1165、サブマリーナーデイトなら1166、サブマリーナーなら1140、デイトジャスト36mmなら1262、デイトジャスト41mmなら1263と言った感じです。 新作が登場する場合、この『あ』の部分が変更されることがほとんどです。
2桁目はムーブメントか
新作はケースまたはムーブメントが交換されることが多いため、 ここはまだデータ数が少ないので、あくまで予想になってしまうのですが、『あ』の4桁も細かく分ける事ができるのではなかろうかと考えております。
例えば、例に挙げているGMTマスター2の青黒。 現行は126710BLNRですが、旧作は116710BLNRです。 この時に変わった数字は、2桁目。 1から2へと変わりました。
GMTマスター2、モデルチェンジの際、大きく変更されたのはムーブメントとブレスレットです。 ブレスレットはそれ単体で型番が設けられているため、モデルのリファレンスナンバーには反映されていません。
なのでムーブメントの変更が、2桁目の数字に反映されたものと思います。
近年のモデルチェンジの際、新型ムーブメント32系を積んだモデルは、2桁目が2になっているので、この部分はあってるんじゃないかなと思います。
ケースの違いはどこに出る?
問題は、ケースの方です。デイトジャストの現行モデルで見てみると、36mm径のケースを使用したものが126200で、41mm径のケースを使用したものが126300。この場合、4桁目が異なっています。
デイトジャストは、36mmも41mmも同じムーブメントを使用しているので、2桁目は同じ。 なるほど!な気がしますよね。
ただ、他のモデルの場合どうかというと。 デイデイトの36mmサイズと40mmサイズのリファレンスナンバーは、それぞれ128239と228239です。
ムーブメントは同じなので、2桁目は同じく2。 ではケースサイズの違いが出ている部分はというと、4桁目ではなく、1桁目です。
こんな感じで、最初の4桁をさらに分けて考えてみたものの、これ!という法則性にはたどり着けず。 やはり4桁まとめて意味がある、モデル名を表記したものと覚えておくのがよろしいかと思います。
5桁目はベゼルの仕様
続いて、『い』の部分、5桁目。ここの数字が意味するのは、ベゼルの仕様です。 分類はご覧の通り。
5桁目が0ならドーム型ポリッシュベゼルです。ツルっとしたやつですね。
1か2、または6なら、スポーツ用回転ベゼル。 サブマリーナーやシードゥエラー、GMTマスター2、ヨットマスターがこれ。
3はフルーテッドカット。 デイトジャスト、デイデイト、スカイドゥエラーに存在するバリエーション。 ギザギザにカットされ、磨き上げられたラグジュアリーな仕様。
4と9は、宝飾ベゼル。 デイデイトに存在するゴージャスなバリエーション。
7はスムースベゼル。 エクスプローラー1と2の仕様です。
そして8は、カウントダウンベゼル。 ヨットマスター2のみの仕様です。
一部例外もあって、デイトナのリファレンスナンバー116500LN。 5桁目は0ですが、ドーム型のポリッシュベゼルではなく、タキメーターベゼルが用いられています。
あとはヨットマスターのエバーローズゴールドと、ホワイトゴールドのモデル。 スポーツ用の回転ベゼルなのですが、1でも2でも6でもなく、5が使われています。
他にも、レディデイトジャストなど、ここに当てはまらないものがあります。
6桁目は外装素材
続いて『う』の部分、数字の最後、6桁目ですね。 ここが意味しているのは、時計の外装素材です。 分類はご覧の通りです。
0ならステンレススチール製。 デイトナ116500LNや、サブマリーナー114060など、人気のスポーツモデルがこれです。
1と3と4は、ステンレススチールとゴールドのコンビ素材。 1のエバーローズゴールドコンビ、近年人気の素材ですよね! デイトジャスト126231や、ヨットマスター126621などがあります。
2はロレジウムという、ステンレススチールとプラチナのコンビ素材。ヨットマスターにのみ存在するバリエーション。
5、6、8、9は、貴金属素材。 デイトナとデイデイトは、これ4つとも存在しますね。 プラチナデイトナ116506や、ホワイトゴールドデイデイト228239などがあります。
アルファベットはベゼルカラー
続いて『え』のところ。 リファレンスナンバー末尾にあるアルファベット。ここが意味しているのは、ベゼルの色です。
例に挙げているGMTマスター2。 青黒なら、BLNR。 同じモデルのペプシカラーなら、BLROです。
素材違いのエバーローズゴールドモデル茶黒ベゼルなら、CHNR。 廃盤になった旧作のブラックなら、LNでした。
また、サブマリーナーデイトの黒はLN。 グリーンならLVといった具合です。
ちなみにこのアルファベット、4文字の場合は、2色のフランス語が略されたものです。 BLNRは、BleuとNoir。青と黒ですね。 BLROなら、BlueとRouge。青と赤です。
2文字の場合は、ベゼルを意味するLunetteのLに、カラーを合わせた表記、例えばLunette Verte を略してLVと表記します。
非公式の表記もある
末尾のアルファベットは、実はもう一つ意味するものがあります。 販売店でこんな表記、見たことないでしょうか。
サブマリーナーデイト116619GLB。 LBは、先ほどのベゼルカラーの表記に当てはまります。Lunette Blueですよね。 ではGはなんだ?と。
またこんなのもあります。 デイトナ116506A。 Aはなんだ?と。
実はこのGとかAの部分、メーカーがオフィシャルで付けているものではなく、販売店が識別のために付けたものです。 意味しているのは、文字盤にダイヤモンドを使用しているということ。
Gはラウンドカットのダイヤモンドを、Aはバケットカットのダイヤモンドをそれぞれ使用しています。
この他にも、文字盤にマザーオブパールを使用したバリエーションで、アラビアインデックスのものにはNA、ローマインデックスのものにはNRなどと記載している販売店も存在します。
といったところで、本日はロレックスのリファレンスナンバーについて、その読み方について見てきました。
今回分解して眺めてみて、理解を深めていただけたんじゃないかなと思います。 ロレックスのコアなファンの方たちは、この法則性を掴んでおり、だからこそ新作発表に向けての予想においても、新しいリファレンスナンバーの予測が出来るというわけです。
ちなみに古いモデルの場合はというと、今回ご紹介した6桁ではなく、5桁または4桁というものがあります。
5桁リファレンスの場合、最初の4桁がモデル番号で、5桁目が素材です。
4桁リファレンスの場合は、4桁がモデル番号で、素材は番号の末尾に/3のように書き加えられます。
ただ例外も多数あります。 それを探すのも非常に面白いです。 興味を持っていただけた方は、ぜひご自身でいろいろ研究してみてください!
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