2021.04.12

ブルガリ オクトの魅力|誕生背景、ブランドDNA、現在の実力など

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ブルガリオクト

※この記事はウォッチ買取応援団としてYoutubeにアップした動画、「ブルガリ オクトの魅力|3大ラグスポを追随する次世代の主役時計」の書き起こしです。

本日はブルガリ オクトの魅力について、ご紹介していきます。 2012年のワールドプレミアで発表され、 瞬く間に超人気モデルへ。 ブルガリ銘ということでの オシャレ的な人気があるだけでなく、 ガチガチの機械式時計愛好家からの指示も 厚いんですよね。

それもそのはず。 発売から現在まで、 実に6回もの世界最薄記録を樹立しているという。 この地に足の着いた実績こそが、 ブルガリ・ブルガリに変わる次世代のアイコン となり得た所以なのではないでしょうか。

特徴的なのは、モデル名にもなっている 八角形をモチーフとしたデザイン。 もともとのデザインを手掛けたのは、 かの有名な、、、 オクトに関わった有名な人物は他にも、、、

ここから先は本編にてお話していきたいと思います。

目次

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

ブランドの歴史

まずはブルガリというブランドについて、 簡単におさらいしていきたいと思います。 ブランドの創業は1884年の イタリア・ローマのシスティーナ。

創業者のソティリオ・ブルガリは、故郷のギリシャと 新天地ローマの古典的な建築様式を融合させ ジュエリーへと昇華。 その華々しく重厚感のあるデザインは、 ローマを訪れるヨーロッパ中の貴族たちに 高く評価され、人気ジュエラーとしての 名声を手にしました。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

その後20世紀中盤まで、カラーストーンを 使用した色鮮やかなジュエリーを多数手がけ、 “ カラーストーンといえばブルガリ “ と、 世界中で愛されるブランドとして定着。 ブルガリのブティックは、 映画スターや有名アーティストたちが集う場所へ。 人々の憧れの場所になっていきました。

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引用:https://www.bulgari.com/

ブルガリウォッチの登場

それではここからはブルガリウォッチ登場の歴史について、解説します。

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引用:https://www.bulgari.com/

ブランドの歴史詳細については、 過去動画にてご覧いただけますので、 ぜひご確認ください。

 

ブルガリ・ブルガリという時計

このブルガリが、1975年に発表したのが、 ブルガリ・ブルガリという時計。 今も残る名作ですね。 

 
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引用:https://www.bulgari.com/

 この時計は、パテック・フィリップのノーチラスや、 オーデマ・ピゲのロイヤルオークを手掛けた ジェラルド・ジェンタ氏がデザインを担当。

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引用:https://www.bulgari.com/

これがかなりの話題性を持っていました。 時計界3大雲上ブランドのデザインを手掛けた アーティストが、トップジュエラーの時計をデザイン したわけですからね。

完成したブルガリ・ブルガリ、 初めはノベルティとして上客に配られ、 1977年より商品としての販売がスタート。 結果、見事ブランドを代表する作品の一つに なっていきました。

オクト その登場背景とは

今回のピックアップモデルのオクト。 このモデルが登場するのは、 ブルガリ・ブルガリ発売から35年後の2012年。 時計業界の流れでいうと、 デカ厚ブームの真っ只中でしょうか。

もう少し大きな流れで見ると、 パテック・フィリップのアクアノート、 ブレゲのマリーン、 ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズ。これらハイブランドの新しいアイコンウォッチが 登場したのが1990年代。

いずれもスポーツを楽しむセレブに向けであり、 また若年層という新しいターゲット向けでもあり。 1970年代に登場したラグジュアリースポーツ というジャンルから、もう一歩、いや半歩ほど スポーツや旅というアクティブな要素を強めた 時計として作られました。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

そしてそこからの2000年代。 90年代の流れから、さらにもう半歩スポーツに 寄ったのがパネライとウブロ。 デカ厚ブームを牽引した2ブランドです。 パネライは軍用時計のまま市販化。 これまで見たことのない手首を覆うほどの大きさ。 そして実際に戦場で使われたという背景からも、 タフでアクティブな時計として人気ブランドとなりました。

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引用:https://twitter.com/Hublot_Japan

さらに2005年にはウブロがビッグバンを発表。 パネライ同様大ぶりで、かつ複数の素材を 合わせて使うという斬新ぶりから注目モデルに。 後にサッカーとの繋がりを強く持ったことで、 とくに若い層に憧れられる時計としての地位を 獲得していきました。

とまあ、1990年代~2000年代は、 ラグスポから少しずつスポーツ要素を強めた 時計が、新たな人気者になっていったんですね。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

そして、2012年。 今回のテーマであるオクトが登場するわけですが、 ここにはどんな流れが汲まれているのか。 実はここには、ブルガリらしい己を貫く姿勢が 強く表れているのではなかろうかと。

ブルガリというブランド、実は流行りと逆をいく、 というか流行りに流されず、自身の強みを より強めていく戦略を得意としています。 これは19世紀末~20世紀初頭、 アール・デコというスタイルが流行った時の 動きからも感じ取れるものです。

ブルガリが貫くブランドDNA

アール・デコというのは、ざっくりですが 幾何学的・直線的なデザインのこと。 色も少なくシンプルなものが主流です。 ジュエリー界でそれを牽引したのは、 フランスのカルティエ。 当時アール・デコ調のジュエリーを ヨーロッパ中で流行らせていました。

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引用:https://twitter.com/Cartier

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引用:https://www.bulgari.com/

その時、ブルガリはというと。 先にお伝えしたカラーストーンの時代です。 自身が得意とする古都ローマの意匠、 華々しく艶やかな作品を作っていたんです。 まさに流行りとは逆のことをしていたんですよね。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

そして、その姿勢は時計においても崩さず。 オクトというモデル、見ていただければわかる通り。 ブルガリが出した答えは、流行りと逆行するような 薄くドレッシーな時計でした。

スポーティで大きく分厚い時計が流行った時代、 その流れに乗るのであれば、 元々あるブルガリ・ブルガリに手を加え、 大きくスポーティなものに仕上げ直すことも 可能だったのではないででしょうか。

ロイヤルオーク・オフショアみたいな感じで。 新しい時計においても、ブルガリが貫いたのは、 やはり古都ローマのスタイル。 時代が変わろうとも、 腕時計はシャツやジャケットと合わせてこそ。 強いメッセージ、感じ取れますね。

オクトを作った偉人たち

さて、このオクトという時計ですが、 簡単に紹介すると、 先ほどお伝えした通りなんですが。 実はブランドの姿勢を時計として具現化するため、 多くのエキスパートが関わっていること、 ご存知でしょうか。 これがあるからこそ、真の高級時計として、 時計愛好家をも唸らせるものになっているんです。

例えばデザイン。 ベースとなる八角形のデザインは、 ジェラルド・ジェンタ氏が自身のブランド名で 時計作りを行っていた際のもの。 それをベースに、ブルガリのデザインチームが 手を加えたものです。

ブルガリのデザインチームリーダーは、 フィアットでカーデザインを担当していた ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏。 車や時計のように、限られたスペースでの デザインを得意とし、かつブルガリが大事にする ローマの建築様式を深く理解している人物です。

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スティリアーニ氏は、オクトの他、 2014年に追加ラインナップされた オクト・フィニッシモ、そして2017年に追加された オクト・ローマのデザインも担当しています。 いずれもオクトのベースデザインを崩すことなく、 よりブルガリらしい美を極めた作り込みを行っております。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

そして機械式ムーブメント。 優れた時計を作るには、欠かせない部分。 ブルガリは、デザイナー ジェラルド・ジェンタ氏 を会社ごと自社に統合しており、その時、 当時ジェンタ氏とともに仕事をしていた時計師 ダニエル・ロート氏も仲間に加えています。

この方がまあとにかく凄い人で、 “ 現代の名工 “ とか “ ブレゲの再来 ” なんて言われる人なんですよ。 複雑機構の設計を得意とし、 かつてブレゲが懐中時計サイズで作っていた トゥールビヨンという超複雑機構を、 腕時計サイズで作ってしまった人です。

1970年には、宝石商のショーメ一とともに、 休眠状態だったブレゲを復活させたことでも 知られます。

 

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引用:https://www.bulgari.com/

 

ブルガリのムーブメントは、 ロート氏とジェンタ氏が作ったル・サンティエの 工房で製造されています。 元々複雑機構を得意としているチームですから、 ブルガリに統合された後もその技術は健在。

オクト・フィニッシモシリーズが成し得た、 6つの世界最薄記録は、ロート氏の技術、 そして彼と共に働いた技師たちの技術の 結晶なのです。

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引用:https://www.bulgari.com/

そして最後に経営陣。 現場で優れた仕事を生み出すには、 経営陣の適切な判断が必要です。 ブルガリ ウォッチ部門の現CEOは ジャン=クリストフ・ババン氏。 元タグ・ホイヤーのCEOとして、 業界4位まで引き上げた人物です。

2013年より現職に就き、 2014年のオクト・フィニッシモ、 そして2019年にはフィニッシモ・クロノグラフ。 高級時計のお約束とも言える、 薄型化と複雑機構の搭載を、 市場の予想を大きく上回る形で実現。

時計ブランドとしての位置づけを より強固にした戦略は、お見事です。

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引用:https://twitter.com/Hublot

そして経営陣にはもう一人。 ブルガリが属するLVMHグループの時計部門長 と言えばこの方。 時計界の魔術師 ジャン=クロード・ビバー氏。

世界最古のブランド ブランパンを再興させ、 クォーツショック後のスイス時計界を 救った人物の一人です。 ウブロ ビッグバンの生みの親でもありますね。 現在は部門長からアドバイザーという役職に 変わっていますが、彼の影響は、 現ブルガリCEOのババン氏にとっても大きい。

ババン氏のみならず、今時計業界で活躍する エグゼクティブたちは、皆ビバー氏の影響を強く 受けているのではないでしょうか。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

ビバー氏が考える時計作りの条件、 雑誌クロノスに掲載されておりましたので引用 させていただきますと、 “ なぜコレを作るのかというメッセージがあること。 ブランドのDNAを提示したものであること。 そして、これらが一目で分かること。 “ 加えてフュージョン(融合)も大事な要素とのこと。

改めて、これを踏まえてオクトという時計、 見てみるとどうでしょう。 すべて網羅されているのではないでしょうか。

オクトコレクションの現在の主力

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引用:https://www.bulgari.com/

といったところで、本日はブルガリ・オクトの魅力 について見てきました。

オクトコレクション、現在主力となっているのは、 フィニッシモシリーズです。 世界最薄のトゥールビヨン、 世界最薄のミニッツリピーター、 世界最薄の自動巻きクロノグラフGMT、 世界最薄の自動巻きトゥールビヨン・クロノグラフ などなど。

薄型化、そして複雑機構の技術は、 雲上ブランドに迫る勢いです。

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引用:https://www.facebook.com/Bulgari/

加えて、ブルガリが大事にしているローマの意匠。 華やかで色気のあるデザインは、 今後もますますブラッシュアップされていくことと 思います。 個人的に注目したいのは、 今後パーペチュアルカレンダーが 出てくるかどうか。

もし登場するとなると、、、時計界のアカデミー賞、ジュネーブウォッチグランプリ 大賞間違いないのでは? ジュエラー、しかもローマ発祥のブランドが大賞 となると、とてつもない快挙ですよね! 楽しみです!

追記
2021年の新作として、オクト・フィニッシモ・パーペチュアルカレンダーが発表されました。

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