2020.02.17

チューダーの魅力を深堀り!ロレックスとは一味違う独自路線の弟ブランド

チューダーの魅力ポイント

 ※この記事はウォッチ買取応援団としてYoutubeにアップした動画、「チューダーはロレックスの代わりになり得るのか?チューダーの魅力をあらためて見てみよう!」の書き起こしです。

本日は、チューダーの魅力をおさらいということでお伝えしていこうと思います。なぜ今このタイミングでチューダーかということですが、単純に去年のバーゼルワールドのチューダーの発表がすごく良かったという理由です。なので今年も期待してまして、それでまとめておこうかと思いました。

目次

今年の年始でしたが、『今年何買う動画』を5日にお送り致しました。その中では全く触れなかったのですが、実はチューダーにもかなり興味があり、注目しているブランドです。

それで、私みたいになロレックスのファンだけど、チューダーもやっぱりちょっと気になる方って、結構の多いのかなと思っています。

皆さんご存知の通り、チューダーってロレックスの傘下、ロレックスの弟分みたいなポジションです。なので、ロレックスの値段が上がりすぎている今、あえてチューダーに注目しているという方も多いんじゃないかなと思います。

というわけで私の考えるチューダーの魅力、いくつかに分けてお伝えしていきます。

魅力1:チューダーの歴史

まずはチューダーの魅力その1ですが、歴史ですね。

→ チューダーの歴史まとめ記事はこちら

チューダーの歴史については、上記記事にてまとめておりますので、今回はざっくりお伝えしていきます。

ロレックスの誕生は1904年。チューダーはそこから約20年後の1926年に商標登録されたブランドです。作った人はロレックスと同じ、ハンス・ウィルスドルフという人物です。ドイツ生まれの方で、彼がロレックスと同じくイギリスでスタートさせたブランドがチューダーです。会社化されたのは1946年。商標登録から20年後です。

ロレックスは、当時どんな感じだったかというと、ロレックスの時計を着けて、ドーバー海峡を泳いで横断するチャレンジを行っていました。それは有名なエピソードの一つなのですが、当時の一般ユーザーが買うには、少し高価な物でした。

ということで、あまり売れてなかったようです。

そこでハンスウィルスドルフは考えました。ロレックスのブランドイメージを崩さず、ロレックスよりも下の価格帯で時計作りをして、一般の方にもっともっと知ってもらいたい。

そこで誕生させたのが、チューダーというブランドだったというわけです。ロレックスの中で安いモデルを出すわけではなくて、別ブランドとしてチューダーを作ったんですね。

その後結局チューダーどうなったかというと、相当売れたみたいです。ヨーロッパ中でものすごく売れたらしく、結果的にチューダーがあったことによってロレックスの人気もその後高まったという形になりました。


作られた当時は、ロレックスの廉価版というイメージ。ロレックスブランドとは少し異なるポジションでのスタートというのが歴史の中であります。そんな歴史がありつつも、ロレックスを作った人と同じ人が作っているので、それっぽいテストもちゃんとやっています。

例えば、252時間炭鉱の中でチューダーの時計を付けた状態で手掘り作業をしてみるとかです。それくらいの間、手掘りで炭鉱を掘っても大丈夫だったという試験結果が残っているようです。

ですので、ロレックス同様に非常に信頼性の高い丈夫な時計であるっていうことは間違いないのかなと思います。

魅力2:薔薇ロゴと盾ロゴに込められた思い

続いてチューダーの魅力2つ目。これも歴史に関わってきますが、ロゴとブランドの意味です。

チューダーというブランド名は、チューダー王朝から取られています。チューダー王朝は15世紀、1485年~1603年までイングランドとアイルランドで栄えた王朝です。

ウェールズ発祥の王族が、パラ戦争で元々の王朝だったヨーク家、そして後から出てきたランカスター家との間で王座争いをしたという歴史があります。その中で誕生したのがチューダー王朝でした。

その王朝がバラの紋章を使っており、その紋章とその名前をどっちも取って作られたのがチューダーの最初のロゴとブランド名でした。

ではなぜイギリスの王朝の紋章や名前を使ったのかというと、創業者のハンスはイギリスで多くの人に愛されるようにという意味を込めてそれらを使用したという風にあります。ですがこれは定かではありません。実際ハンスが言ったわけではなく、そういう噂というレベルのものです。

そして現在のチューダーロゴは、バラの紋章ではなくなっており、盾の紋章に変わっています。

これはどこから取ったのかというと、イギリスの国章から取っているようですね。イギリスの国章は、このように右側にユニコーン、左側にライオン、そして真ん中に盾という作りになっています。

この盾からとっているようですね。

盾の紋章から、信頼性や堅牢性をそイメージして作ったと言われています。そういったロゴやブランド名に想いを馳せながら、チューダーという時計を見てみると、またちょっと新たな発見があるのかなと思います。

私はこれを聞いて、三大ブランド感を少し感じました。貴族が争っていた時代や宗教戦争があり、そういう時代からあるブランドと言えばヴァシュロン・コンスタンタンや、パテック・フィリップ、あとはブレゲなどです。

今まではそういったブランドでしか、そういう時代背景を感じることができなかったのですが、チューダーはあえてそこを感じさせるようなブランドコンセプトになっているのが、すごく良いなと思います。

ですので実用時計でありながらも、その貴族感みたいなところを感じられる。そして戦争ということにも関わると思いますが、おそらく今の国争いのような戦争とは異なり、王座争いのような少し今とは違う戦争。日本でいうと戦国時代に近いのかなと思います。

チューダー王朝は、時代的にもちょうど日本の戦国時代とかぶりますよね。1485年~1603年なので日本でいうと、室町時代から安土桃山時代にちょうど入るぐらいかなと思います。世界的にはきっとそういう時代だったんですね。そんな時代を感じながら楽しめる時計というのも、魅力だと思います。

魅力3:ラグビーとの関わり

続いてチューダーの魅力その3ですが、これは最近にわかファンの方も多いと思います。私も思いっきりにわかファンですが、ラグビーワールドカップのスポンサーになっていたということ。

そして今現在も、ラグビートップチームのニュージーランドのオールブラックスのスポンサーでもあります。個人でいうとボーデン・バレットのスポンサーにもなっていますね。

ラグビーはやっぱり見てて面白いですよね!ルールはさっぱりわからないのですが、正直分からなくても面白くないですか?笑

ボールの奪い合いをして自分の陣地に持ち込むという。すごくシンプルなスポーツですよね。ファールとかもサッカーみたいに複雑ではなくて、バスケットボールのように頻繁に起きるものでもないので、分かりやすいと思います。

そのあたりが見てて面白いですし、試合が中断されることがあまりないので、男としての闘志が湧いてくるスポーツですよね。

ラグビー好きの方はもちろん、チューダーは注目してほしいブランドです。ラグビーにわかファンの方もぜひ注目してほしいなと思っております。

ちなみにオールブラックスでいうと、ブラックベイクロノダークっていうモデルがあるのですが、これはオールブラックスの過去にチームに選ばれた選手分しか作ってないらしいです。

限定モデルなので今現状何個あるか分かりませんが、これからまた代表選手が選出される度に生産数も増えていくという形になっています。それでも限定数量は非常に少ないので、なかなか入手困難なものになってます。

魅力4:ロレックスではできない挑戦的なデザイン

続いて、チューダーの魅力その4です。これが一番の見所かと思っています。チューダーに期待している部分なのですがデザインです。

まずはこちらのブラックベイのGMT。そして右側がブラックベイのフィフティエイトというモデル。見てみてください。

一見ロレックス感も残しつつ、ビンテージロレックス感を感じさせるモデル。ですがよく見ると針とケース、ケースはリューズガードがありません。

針は独自のイカ針を使っていますが、この独特のデザインが良いですね。あとはベゼルの印字、ロレックスはやってこないようなこの細かい遊び心が見ていて楽しいんですよね。

例えば上の画像、ブラックベイクロノのS&Gというモデルですが、こちら全部同じモデルです。同じモデルで3つのブレスレッドで展開がされていて、一番左が金属、真ん中がレザ―、そして右がファブリックです。こういうブレスレットの展開をしてくるのは、やっぱりその母体のロレックスではやってこないことです。こういう遊び心がすごく良いなと思います。

あとはさっきも登場しましたが、ブラックベイクロノのダーク。これはブラックセラミックではなく、PVD加工が施されています。PVD加工は電解液の中につけて塗料を塗布するようなやり方で、これで黒を出しています。

これもロレックスは絶対やってこないことです。なぜかというと稼働部分の黒というのは使っているうちに剥げてしまうので、あまりこのロレックスそういうの好みません。絶対ロレックスがやってこないであろうことを、チューダーは勇気を持ってやってきます。ここがすごく好きな部分です。

同じようにブロンズケースもありますが、使っていくうちに色変わってしまいます。1年で結構大きく色が変わるみたいですが、やはりこの変色についても母体のロレックスはどう考えても好みません。どちらかというと普遍なものを好むブランドですのでやってこない。だけど、チューダーの方はこうやって遊んでくるというのがすごく好きなポイントです。

チューダーのおすすめモデル

チューダーのデザインセンス、すごく注目しています。

ざっくり簡単な言葉でまとめると、アイコン的なベースデザインをもっていながらも、それぞれにちゃんと個性があるみたいなイメージですね。

興味ある方ぜひサイトの方も眺めてみてください。本当に似ているんですけど、良く見るとやっぱり違くて、それぞれに個性があって面白いものが並んでいると思います。

ちなみにちょっとオススメのモデルもここで紹介しておきたいなと思います。まず1つ目はこちら。ブラックベイのブルーのベゼルですね。

これ何が良いかというと、例えばですがロレックスという時計から入った方は、高級時計のデビューとしてロレックスを選んでいる方が多いと思います。私の周りでもロレックスに興味を持ち出して調べ出したって人が何人かいます。

そしてだいたいちょっと知っていくと出てくる言葉の中に、サブマリーナの赤ってないの?とかサブマリーナのこの青いベゼルのものってないの?とかみたいなことがあります。

そういった質問がでてきたときに必ず紹介するのがチューダーのブラックベイですね。これもやはりロレックスにはありません。ロレックスの場合ブルーのサブマリーナのベゼルでいうと、コンビかホワイトゴールドになってしまうので、お高いですよね。

ブラックベイであれば、リーズナブルな価格で買えますし、実用面でもこっちはステンレスですから、非常に使いやすいかなと思います。ということもありかなり注目しているモデルです。

次はこちらですが面白いモデルです。昨年ジュネーブウォッチグランプリ2019年でチャレンジウォッチ賞を受賞した、P-01というモデルです。

60年代に作られていた軍用ウォッチのリバイバルモデルですね。リバイバルとはいえ、単なる復刻ではなくて現代的なデザインに落とし込まれています。

ジュネーブウォッチグランプリの公式サイトに、すごくわかりやすいコメントが載っています。

” 使いやすく、高性能で堅牢な時計、ブランドウォッチのツールウォッチ哲学を完全に表現した ” 

このツールウォッチという言葉がかっこよくないですか?まさに道具としての時計という、完成を目指した哲学を完全に表現していると思います。とてもかっこいいなと思います。

作りもかなり個性的です。まずラグですが、ケースからブレスレットが生えてる部分がカバーになっていて、そこから1つのメタルの駒が出て、そしてレザーブレスという生え方をしています。こういう作りも珍しいと思います。

そしてリューズの位置も4時位置になっています。普通3時位置なんですが、これを4時位置にずらしているという遊び心も良いですね。構造上そういう作りなのかもしれませんが、こういうところも面白いなと思いました。

そして注目モデル3つ目です。これもやっぱりさっき登場しましたが、ブラックベイクロノのS&Gというゴールドとステンレスのコンビモデルです。

これは3つ展開がありますが、なかなか出会うことができないレアモデルになりつつあるのかなと思います。

ロレックスのデイトナコンビだと、やりすぎてる感があるというか、やはり高級路線すぎてしまうと思います。ですがこのブラックベイクロノは、まず文字盤の中の小窓(ここには秒針や積算計が表示されています)。これがロレックスのデイトナは3つですが、このブロックベイクロノは2つです。

なのでそのデザイン的に、また機能的にもやりすぎていませんし、ちょうど良いですね。

そしてこのブレスレットの部分が金なんですが、これ実は張り合わせになっています。ですので金無垢材 ではなくてステンレスの上に金の板を張っているという作り方なので、そこでかなりコストを抑えた作りになっています。

気合いを入れて買わないといけないウン百万する時計というわけではありません。定価で757,900円。安くないですか?こういう値段もチューダーの魅力だと思います。

まとめ

そんな感じでお伝えしてきましたが、やっぱりチューダーはすごく今年楽しみなブランドだなと思います。5月のバーゼルでどんな新作出してくるのか。先日ロレックスの新作予想をしてみましたが、チューダーの予想はちょっと難しいですね。どんな冒険、どんなチャレンジをしてくるかっていうのが全く読めない、そんなおもしろさがあるブランドだと思います。

ということで本日私が考えるチューダーの魅力についてお伝えしてみました。また機会があればこういったブランドの紹介というか、ブランドの魅力っていうところを私なりにまとめていければ面白いのかなと思いますので、リクエストなどいただければ幸いでございます。