ロレックスの特徴として、価値が落ちにくく、高価買取につながりやすいということがあります。
そのリセールバリューを支えているひとつの要素として、オイスターケースの価値は計り知れないものがあるのです。
オイスターケースの特徴をまとめてみました。
目次
- ロレックスの買取価格の4分の1はオイスターの価値
- オイスターケースの素材
- オイスターケースの成形方法
- ロレックスのリューズと風防
- まとめ
ロレックスの買取価格の4分の1はオイスターの価値
オイスターケースは、ロレックスの三大発明のひとつです。
1926年、防水防塵性能を高めるために発明されたこのケースは、選び抜かれた素材を用い、優れた技術力があってこそ実現したものでした。
>> ロレックス 3大発明 その1 『オイスターケース』
以前のエントリーでも書きましたが、ロレックスは時計として壊れている状態でも買取が可能です。
その理由として、オイスターケース単体の価値があります。
>> 壊れたロレックスでも買取に出せるのか?
ちなみに、ヤフオク!でもケースのみという形で売られており、例えばデイトジャストRef.16014のケース(ステンレス部分のみ、WGベゼル無し)販売価格は、¥55,000です。
対して、同じくRef.16014用のムーブメントcal.3035の販売価格は、¥100,000でした。
という事は、他にブレスやベゼルなどの価値を考慮しても、ロレックスのケース本体のみの価格が占める割合は、買い取り価格の20〜25%程度であるといえます。
オイスターケースの素材
オイスターケースの素材は、ゴールド、プラチナ、ステンレスの組み合わせが基本構造であり、モデルによっては、ベゼルの素材がセラミックになっているものもあります。
ロレックスのケースに使われる素材は、頑丈で腐食しにくいということに加え、衰えない審美性にこだわった素材が使用されています。
>> 【ステンレスの秘密】ロレックスの買取相場が高額な理由
オイスターケースの成形方法
固く丈夫な金属素材を使うという事は、裏を返せば、加工が難しいということにもなります。
ロレックスのケースの価値は、素材とそれを加工する技術を合わせた価値といって間違いないでしょう。
腕時計の金属ケースの成形方法は、通常2種類あり、切削と鍛造がありますが、ロレックスのオイスターケースは、すべて鍛造によって成形されています。
鍛造(たんぞう、forging)とは、金属加工の塑性加工法の一種。 金属をハンマー等で叩いて圧力を加える事で、金属内部の空隙をつぶし、結晶を微細化し、結晶の方向を整えて強度を高めると共に目的の形状に成形する。 古くから刃物や武具、金物などの製造技法として用いられてきた。引用:Wikipedia
金属の固まりから削って形を作っていく切削加工とくらべ、鍛造のほうが圧倒的にコストがかかりますが、その分金属密度の高いものが出来上がり、非常に丈夫で美しい仕上がりになります。
ロレックスのステンレスは、磨く事で新品の様な輝きを取り戻す事ができるため、小傷程度では買取価格に影響がでない点も魅力的ですね。
ロレックスのリューズと風防
ロレックスオイスターの防水性能は、最低でも100m防水です。
その防水性能を支えているのが、リューズの構造にあります。
1952年に特許を取得したバネ仕込みのねじ込み式リューズは、ねじ込みの力と、パッキンによる密閉に加え、バネによって内側からねじ込みとは逆方向に力を加える事で、高い密閉性を実現しています。
パッキンは通常2重構造ですが、3重構造になっているものは『トリプロック構造』と呼ばれ、より防水性のが必要なサブマリーナなどのスポーツモデルに使われています。
また、オイスターケースの堅牢性を支えるもう一つの材料が、風防です。
こちらは現在すべてのモデルにサファイアクリスタルが採用されています。
サファイアクリスタルは、傷がつきにくい上、光を反射しにくく、優れた視認性を長く保てる材料として最適なものです。
まとめ
ロレックスのオイスターケースは、ロレックスの技術とフィロソフィーの結晶ともいえるものであり、時計の価値を決める要素になっています。
ロレックスの買取価格が高価な理由の一つとして、このオイスターケースが非常に丈夫で、美しさを保てる構造になっており、小傷程度であれば容易にリユースできる状態に戻せるということがあるのです。